京都地方裁判所 事件番号不詳 決定
右の者に対する所得税法違反被告事件につき当裁判所は次のとおり決定する。
主文
本件公訴を棄却する。
理由
被告人に対する公訴事実は
被告人は昭和二十七年一月京都市中京区東洞院通錦角錦証券株式会社の代表取締役社長となり。同二十八年八月同社取締役会長となつて現在に至るものであるが、その間会社業務にたずさわるかたわら昭和二十七年、同二十八年の両年度中業として自己の計算において証券取引、三品取引等を行いその所得を秘匿し所得税を免れようと企て
第一 昭和二十七年中前記会社及び他の証券会社等数社に於て数多の架空名義を用いて証券取引、三品取引等を行い合計七百三十九万二千六百七十九円の所得がありながら之を秘匿し同二十八年三月十五日までに所轄左京税務署に対し右所得の所得税に関する確定申告書を提出せず、以て不正の行為により昭和二十七年度所得税三百八十二万八千四百三十円を逋脱し
第二 昭和二十八年中前記会社及び他の証券会社数社に於て数多の架空名義を用いて証券取引を行い合計三百五十九万八千三百七十二円の所得がありながら之を秘匿し同二十九年三月十五日までに所轄左京税務署に対し右所得税に関する確定申告書を提出せず且つ右所得中の株券多数を架空名義を用いて他に預け之を隠匿する等の不正の行為により昭和二十八年度所得税百七十六万二千四百八十円を逋脱し
たものである。というにあるが、被告人は昭和三十三年八月十一日午后六時五〇分京都大学医学部附属病院において死亡したもので、右事実は昭和三十三年八月十九日付京都地方検察庁検察官検事某提出の書面により明らかであるから、被告人に対する本件公訴はこれを棄却することとし、刑事訴訟法第三百三十九条第一項第四号により主文のとおり決定する。